すべての人のために「ユニバーサルデザイン」
ユニバーサルデザインとバリアフリーの違いってご存知ですか。最近、よく言葉に出る ユニバーサルデザインについてご紹介します。
ユニバーサルデザインとは
文化・言語・国籍の違い、老若男女といった差異、障害・能力の如何を問わずに利用することができる施設・製品・情報の設計(デザイン)をいいます。
ユニバーサルデザインは法律の限界を踏まえて、障害のある人を特別視せずに、あらゆる人が快適に暮らすことができるデザインとしてノースカロライナ州立大学のロナルド・メイスが1985年に提唱した概念です。
ロナルド・メイスによって提唱されたユニバーサルデザインは7原則を元に構成されています。
- 誰にでも公平に利用できる。
- 使う上で柔軟性に富む。
- 簡単で直感的に利用できる。
- 必要な情報が簡単に理解できる。
- 単純なミスが危険につながらない。
- 身体的な負担が少ない。
- 接近して使える寸法や空間になっている。
さらにユニバーサルデザインは物理的に都市基盤や建物、乗り物、築造物などのハード面、情報、サービス、思いやりなどのソフト面の2種類に分けられます。
ユニバーサルデザインはロナルド・メイスのハード面だけではなく、ソフト面でのユニバーサルデザイン*を栂 紀久代さんが提唱しています。
- 安全 誰もがみんな安全な生活が出来る事
- 安心 誰もがみんな安心して暮らしが出来る事
- 快適 誰もがみんな快適に外出できる事
- 簡単 誰もがみんな簡単に使える制度である事
- 便利 誰もがみんな便利に使える制度である事
- 真心 制度運用者は真心を持っている事
- 配慮 制度運用者は弱者にも十分な配慮が出来る事
*栂 紀久代「ユニバーサルデザインの考え方とは?」
ユニバーサルデザインとバリアフリーの違い
種類 |
ユニバーサルデザイン |
バリアフリー |
思想/発想 |
多くの方に使いやすい デザイン手法 |
高齢者・障害者の 使いやすいように変化 |
対象者 |
すべての人 |
高齢者、障害者等 |
上記の表のように、ユニバーサルデザインはすべての人が対象となりますが、バリアフリーは主に高齢者や障害者が対象となります。
バリアフリーは障害者や高齢者など特別な人に対する特別な対策です。
バリアフリーから一歩進んで誰もが平等に公平に利用できるようにデザインするという考え方であるユニバーサルデザインを広めていく必要があります。
具体例「ピクトグラム」
ピウトグラムは世界中で通用する誰もが理解できる「言葉のない絵」です。
主に鉄道駅や空港などの公共空間で使用されており、文章で表現する代わりに視覚的な図で表現することで、言語に制約されずに内容の伝達を直感的に行う目的で使用されています。
上記の画像以外でも「非常口マーク」なども有名なピクトグラムです。
具体例「階段やエスカレーターに併設されたエレベーター」
車いすユーザーは一般的に階段やエスカレーターを使えないため、エレベーターを利用します。エレベーターがの設置されているところが遠い場所ににあると、階段で行けばすぐに行ける場所でもかなり時間がかかります。
上記の画像のように併設しているとわざわざ遠回りすることなくエレベーターがあり、階段で利用する方と変わらず、目的の場所へ向かうことができます。
具体例「ドラム式洗濯機」
背の高い人、小柄な人、お年寄り、子ども、車いすの人でも誰でも楽に洗濯物の出し入れができます。さらにドラム式洗濯特有のたたき洗いによって少ない水で衣類を優しく綺麗に洗えることができるので非常にエコです。
他にも... シャンプーボトルの上部もしくは側面の凸凹、幅の広い駅の改札口などあります。
まとめ
一度は耳にしたことがある「ユニバーサルデザイン」いかがだったでしょうか。
ユニバーサルデザインとバリアフリーは似ているようで全く別物です。
これからハード面およびソフト面のユニバーサルデザインの考え方をもっと取り入れ、障害の有無に関係なく誰もが安心して暮らせる優しい社会になるように活動していきます。
※掲載内容は記事公開時点のものです。最新情報は、各企業・店舗等へお問い合わせください。
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