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目や耳が不自由でも映画を楽しめる!「UDCast」を使ってみた。


UDCastとは?

2016年に登場した無料のアプリで、これを使うことで視覚障害や聴覚障害があっても映画を楽しむことができます。

具体的には

・聴覚障害者→字幕、手話
別売りメガネ型端末に字幕を表示したり、スマホやタブレットに字幕を表示することができる。
また、あらかじめ収録された手話映像も、映像と完全同期して見ることが可能。

・視覚障害者→音声ガイド
スマホ・タブレットにイヤホンを接続することで、映像に合わせた音声ガイドを聴くことができる。

といった機能があります。他にも、外国人向けに多言語字幕・音声にも対応しているそうです。

このマークのあるものがUDCast対応作品となります。

UDCast(音声ガイド)を映画館で使ってみた

私は視覚・聴覚に障害はありませんが、妻が網膜色素変性症により弱視です。そのこともあって、普段一緒にテレビを見たり、映画を観たりということはほとんどありません。

今回もそれとなく誘ってみたのですが、やはり抵抗があるそうでノリ気ではありませんでした。ということで、「音声ガイドはこんなだったよ!」というのも伝えれたらと思い、1人で観に行ってきました。

ちなみに鑑賞した作品は「光」という映画。主人公は視力を失いゆくカメラマン雅哉。内容はそれこそ「映画の音声ガイド制作」というところから展開されていくラブストーリーで、「この今聴いている音声ガイドもこんな過程を経て作られたんだ」ということも分かる素晴らしい作品でした。

映画「光」公式サイト→http://hikari-movie.com

今回のこの記事では映画そのものの感想ではなく、あくまでも音声ガイドについての体験レポートを書かせて頂きます。

 

UDCastの使い方

その前にまずUDCastの使い方をご説明します。

<1>アプリをダウンロードする
iOS端末→https://itunes.apple.com/jp/app/udcast/id899342269
Android端末→https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.palabra_i.udcast

<2>アプリを立ち上げ、観たい作品のデータをダウンロードする
・アプリを起動した画面はこんな感じです。「映画・映像」のほかに「博物館・美術館」というカテゴリもありますね。

・映画であればこんな感じで一覧が出ます。まずは上の方で音声ガイドなのか、字幕なのかを選び、すぐ下のところで劇場公開中のものか、DVD/Blu-rayなのかを選びます。今回は「音声ガイド・劇場」で「光」を選びました。新作の映画やアニメ映画なども豊富にあります。

タイトルをタップするとこのような画面が出るので、ダウンロードします。ここまでの作業は劇場に行く前に事前にしておく必要があるので注意しましょう!

<3>劇場に行ってスタンバイ

・タイトルをタップすると、このようにダウンロードしたデータが選択できます。

・これを押すと、このようなメッセージが表示されますので、イヤホンを接続しましょう。

ちなみにイヤホンですが、Bluetoothイヤホン等は対応していません!(Airpodsでも試しましたができませんでした)
必ず有線のものを準備しましょう。また、マイク付きイヤホンでは作動しない場合もあるそうです。

それともう一つ、スマホは機内モードに設定してください。鑑賞中にメールや電話が鳴るとガイド中に着信音が入ったりしてしまいます。

・本編開始までに音量調整等の準備

イヤホンを接続し音声ガイドモードに入ると、ピアノのBGMとともに作品の監督やタイトル、注意事項等のガイド音声が始まります。この音声に合わせてボリューム調整をしましょう。

準備は以上!!
あとは端末のマイクを通じて映画の音声を拾い、それに合わせて自動的にガイド音声が流れます。

このあたりの仕組みはUDCastのホームページにも詳しく書かれているので、興味のある方は是非そちらのご覧下さい。

UDCastホームページ→http://udcast.net

UDCast(音声ガイド)の感想

今回初めて使ってみてちゃんと作動するのか不安でした。というのも、映画の宣伝・予告の間もイヤホンからはずっとピアノのBGMが鳴り続けていて、「おいおい、これはいつどのタイミングでガイドしてくれるんだ?」という気持ちになっていました。

ですが、予告が終わると劇場のスピーカーから「この音声はガイド用の・・・(中略)・・・の調整用音声です」みたいな感じのナレーションが入り、それと同時にイヤホンの待機音声も止まりました。
調べたところによると、マイクが音声を識別して、その場面に合わせたガイドをしていくということなので、映画の途中で入ったり、トイレに立ったとしても問題ないようですが、ガイドが始まるタイミングは本当に本編の直前ということみたいですね。

・どんなガイドが流れるのか

今回の「光」で言うと、例えば「交差点を歩く美佐子」、「二車線の道路を車が行き交う」など情景を表したガイドや、「雅哉が店の看板にぶつかる。吐瀉物に倒れジャケットが汚れる。」、「窓の柵を指でなぞりながら進む」などセリフのない場面での登場人物の行動や表情をガイドしたものがあったように思います。
ガイドがなければ、ただの車の行き交う音や、「ドシャッ!」と倒れる音、あるいは「カンカンカンカン」というなにかよく分からない音にしか聞こえないと思いますが、こういうガイドが入ることで、画面が見えない人でもその情景や出来事がかなりリアルにイメージできるものになっていると感じました。

・ガイドの流れるタイミング

うまいことセリフとセリフの間にガイド音声が流れ、音が被ることはありませんでした。まさに絶妙のタイミングです。
セリフの間にガイドが入るといっても、所狭しと入っているわけではなくて、本当に必要な箇所に、良い意味で最低限入っているなという印象でした。というのは、例えば「二車線の道路を車が行き交う。乗用車が一台、二台、今度はトラックが通った。」なんてそんな細かい情報いらなくて、「二車線の道路を車が行き交う」というガイドに車の通る音で、ある程度情景はイメージできますよね。そんな感じでシンプルに、でも効果的な単語や表現を使ってガイドしている感じを受けました。

・実際に目を瞑ってみた

最初は画面を見ながら、どんな場面でどんなガイドを言うのかというのを気にしていましたが、ところどころで目を瞑ってみました。
話の内容は、映画そのもののセリフや音とイヤホンのガイドで、確かに十分理解できるレベルでした。ですが、全て音で聴いてイメージして、話が進んでいって、という感じなので、想像力がいるのと集中力もそれなりに必要でした。5分ぐらいで疲れて普通に目で観て…の繰り返し(笑)
視覚障害のある人は音で判断することに慣れているかもしれませんが、素人の私がすると結構大変な作業でした。少し、慣れが必要かもしれませんね。

・気になったところ

映画とは観る人によって感じ方や捉え方が違ったりするものだと思います。それは登場人物の表情や動き方、風景や映像の表現の仕方など、セリフのないシーンなどではより一層違ったりするのではないでしょうか。
それを音声でどう伝えるか。制作者側の主観や個人的な思いが入ってはいけないと思うので、あくまでも「観ている人の心に投げかける」音声ガイドが求められます。

その部分での難しさや、表現手法というのは、どんな映画でも議論を重ねるんだろうなと想像しました。

そういったことも含めて、アクション映画やテンポの速い映画ではどうなるのかなというのが非常に気になりました。
今回の「光」はゆったりと進んでいく感じだったので、音声ガイドも聴きやすかったし、「間」というのも上手に取られていたように思いましたが・・・そのあたりはまた機会があれば他の映画で試してみようと思います。

最後に

バッテリーはどれぐらい減るのかもチェックしていたのですが、映画が始まった時点のバッテリー残量が56%、2時間ほどの話が終わった時点で44%と12%の減りでした。思ったよりは少なくてよかった。

視覚障害・聴覚障害の人が映画を楽しむのにはまだまだ課題があるのかもしれません。ですが、こうしてまた一つ、選択肢が出てきたことは素晴らしいことだと思います。

これなら友達や家族と一緒に映画を観たり…もしかしたら今まではできなかった恋人との映画デートなんかも。。
なんてお節介な想像を膨らませた天田でした。


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