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子ども用ハーネスについてあなたは何を考えますか?


女の子笑顔

「子ども用ハーネス」というのをご存じでしょうか。

「迷子ひも」とも呼ばれており、子どもが突然走り出したり、親がちょっと目を離した瞬間にどこかへ行ってしまうことによる危険を未然に防ぐアイテムとして徐々に認知され始めています。

認知と同時に広がりを見せる賛否両論

子ども用ハーネスはそれに対する考え方・立場・経験の違いによって様々な意見があります。

主な賛成意見はハーネスの本来の目的である「安全確保」に沿ったもので

・何かあってからでは遅い(安全最優先
・手を繋いでも振りほどかれる(手を繋ぐまでの空白に何かあってもおかしくない
・子どもが複数いると追いかけられない
・常に子どもだけを見るのは不可能

というのが多いです。

逆に反対意見としては

・ペットみたい
・ひもを繋ぐことが虐待
・ちゃんと躾をするべき
・昔はそんなものなくても子育てはできた

というもので、見た目の問題や親の怠慢だと指摘する意見が多いようです。

あなたはどんな立場でどう考えますか?

意見する前に想いを馳せて

実際問題、子ども用ハーネスを必要としている人たちがいます。

私は臨床心理士という仕事柄、これまで子育てで悩む多くの親の話を聴いてきました。ハーネスが直接の主訴や話題となることはありませんが、子どもが多動で手が付けられなかったり、手を繋ぐのを頑なに嫌がるというのはよく聴く話です。

そうでなくても乳幼児期は「好奇心の爆発期」と呼ばれていて、目に付く物目に付く物に興味を示します。さらに2歳前後は「イヤイヤ期」と呼ばれる第一次反抗期があり、親の言うことに反抗し、何でもかんでも嫌がる時期というのもあります。

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さて、こうした子どもの言動や反応は“育て方”や“しつけ”で制御できるのでしょうか。答えは「No」です。
「好奇心の爆発期」や「イヤイヤ期」は、程度に差はあれど発達過程で出現するものであることに加え、生まれながらに備わった「気質」というその子の持つ元来の特徴があり、特に小さい子どもはその気質的特徴が目立って現れるため、育て方やしつけの及ばない範囲もあります。

そういう背景を知った上で、もう一度ハーネスを利用している親子に想いを馳せてみたり、その様子を少し観察してみてください。

そうすれば少し違った見方・考え方が出てくるかもしれません。

時代の変化を広く捉えて

「昔はそんなものなくても子育てはできた」、確かにそうかもしれません。

私自身かなりやんちゃな方でしたから、それでもって子育てしてくれた両親には尊敬を表しますし、昔はハーネスがなくてもやってきたという事実や当時の親世代の人たちの努力はすごいなと思います(子どもが2人以上いる世帯も今より多かったですし)。

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ですが、核家族化、地域コミュニティの希薄化が進んできており、親にかかる負担や責任・重圧というのは昔よりも強くなっているのではと感じます。
また、幼児の飛び出し事故も後を絶たないことに加え、犯罪に関しては昔よりも巧妙かつ複雑化していると言えます。

それらの時代の変化を顧みず、子育てにおいてのみ焦点を当て「昔はそんなものなくても子育てはできた」というのは少し極端な意見のようにも感じます。

子ども用ハーネスを利用する親のモラル

ハーネスを利用する親のモラルの問題もあります。

あくまでもハーネスは「安全確保」の道具であって、犬の散歩のようにリードを伸ばして使うようなものではありません。ひもを伸ばして子どもを引っ張るように歩いていたり、他人の邪魔や危険に繋がる使い方をしていれば批判的な意見が出るのも仕方ありません。

また、ハーネスに甘んじてスマホに夢中になってしまうようなことがあると…これも批判を生む大きな要因になるでしょう。

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どのような使い方がベストか、それはケースバイケースであり、またイレギュラーな状況が発生することもあると思いますが

・ハーネスを付けながらも基本的には手を繋ぐ
・ひもを短くして親のベルトなどに付けておく
・子どもが離れた際も、ひもを引っ張って子どもを引き寄せず、なるべく親から迎えにいくようにする
・普段からの声かけ(教育)も行う

など工夫することは必要です。
もう一度言います。子ども用ハーネスは「便利な道具」ではなく「安全確保の道具」なのです。

最後に

今回子ども用ハーネスについて記事を書いたのは、実は私の家庭でもハーネスの利用を検討しているからです。

私は杖を使い歩くことはできますが、走り始めた子どものスピードにはもはや追いつくことはできません(というより歩行スピードでも負ける)。そして妻は視覚障害のため、子どもが5メートルも離れてしまうとどこに行ったのか分からないこともあります。

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今は子どもには外では手を繋ぐように教え、私たちもよっぽど気を付けて見るようにはしていますが、それでも突如手を離して走り出してしまうことがあります。

そんな時は私が「右っ!右っ!前前前!!」と言って妻が追いかけるという状況ですが、どう考えても危険ですよね(汗)

それに常に妻と一緒にいるわけではないので、どちらか一人で見ることになっても対応できるようにしておかないといけません。

正しい使い方をすれば子どもの安全を守れる素晴らしい道具になり得るハーネス。

否定的な視線があったとしても、それを必要としているならば堂々と使ってほしいというのが私の考えです。


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